再受験から国立獣医学部へ

大学を中退後フリーターになり、再受験を決意

見事に東京農工大共同獣医学科に合格した塚田くんにインタビューしました

【センター試験の結果】

国語163点 / 数学180点 / 英語189点 / リスニング46点 / 化学86点 / 生物100点

地理88点  得点率89%

・中学時代はピアノを弾けば誰かが来てくれた

(この受験勉強以外で熱中していたことはあったの?)

中学生の時にピアノのコンクールに出場していました。ピアノは頑張っていました。

(ピアノは何が楽しかった?)

弾けば誰かが来てくれたんですよ。学校で伴奏していると教頭がきてくれて褒めてくれました。ピアノコンクールに出場したこともあったのですが、同級生が来てくれたり、先生が聴きに来てくれました。引けば褒めてもらえるし、何よりも自分の音が好きでした。「ここでこの音を出せる」という感覚が楽しかったです。しかし中学卒業後は、技術面で音楽高校に通う人には敵わないと感じました。そこで熱が急に冷めてしまったのです。

・気持ちがついていかない日々

大学在学中の試験勉強は非常にストレスでした。大量のレポート課題に追われ、〆切に間に合わないと感じた時にストレスがかかりました。そこに目標やモチベーションはなく、ただ嫌々やらされているだけでした。そもそも大学を選んだ理由も、家から近く、学歴がそこそこで就職が強いというフワッとした理由でした。目標が定まらず、気持ちがついていかず、結局大学をドロップアウトしてしまいました。

・真剣に話を聞いてくれた人

一昨年のGWにフクロウを買いました。その時にエキゾチックアニマルを扱っているペットショップの店長と仲良くなりました。猛禽類に関する知識は、普段から猛禽類に触れる機会自体が少ない獣医師よりも豊富で、たくさんのノウハウを持っていました。店長がそういったノウハウを共有できる獣医師が欲しいと言ってくれたことがきっかけです。そのとき自分は店長に「今から勉強して獣医師になりますよ」と冗談っぽく伝えたのですが、店長は真面目に自分の話を聞いてくれました。それから家に帰って、参考書を引っ張り出して勉強してみると意外とできたんですよ。勉強に対する見え方が違っていました。現役の時は嫌々やらされているだけでした。その後、ペットショップの人とも交流を続けていくうちに、獣医師の方とのパイプを持つこともできました。流通を含めて、猛禽を扱える人脈ができたので、こういう人たちがいる世界で仕事がしたいと思いました。また、その時の自分は年齢も重ねていましたし、普通の大学に行っても就職はできないという自覚もあり、獣医師を目指そうと再受験することに決めました。

・自分のやり方が正しいか誰も教えてくれない

VETに入る前は自力で勉強していました。まずは数学、理科からスタートして、テキストを自分なりに解釈して学習の方向性を定めることができました。しかし、国語と英語に手を出したら、方向性を見失ってしまったのです。正しいことをやっているかもしれないけど、誰にも確認できない。ブランクがあるから自分で判断もできない。ものの見方がずれているまま進んでいる感覚がありました。そうして自力学習に限界を感じ、お金をかけてでもどこかに頼ろうと考えるようになりました。

(そうしてVETに入学したわけだけど、年下が多い環境はストレスだった?)

無かったです。話しかけてくれる人も結構いて楽しかったです。もっと自発的に関わっていくべきだったかと反省しています。


・一番ダメなのは自分と理解することが重要

一番ダメなのは自分。VETの周りの人は見本にしていました。一番ダメなのは自分であると理解すると物事の見え方が変わります。日頃のちょっとしたことなんですけど、朝早く自習しに来る人は尊敬していました。やっぱりそういう人は伸びていましたし、自分がそれを真似して徹底できるかは別として、そういう人がいると知っているだけで学習の取り組み方が違ってくると思います。

・センター高得点の秘訣は?

第1回全統マーク模試で国語の偏差値は50しかありませんでしたが、第2回で65まで伸ばすことができました。この時点で、センター試験はいけるという手応えを感じていました。VETの国語の授業は全員で同じ問題を解き、グループを作って互いに自分の答えと根拠を説明し合うものでした。相手は先生に限らないところが肝です。相手が先生であれば短時間で根拠を見抜くかに焦点を置きますが、生徒同士であれば、どう間違えたか、どう間違いを回避したかを知ることができます。あとはもう一度白紙の問題を用意して根拠の取り方、間違いの避け方を再現することで授業の復習をしていました。社会選択は地理と政治経済で迷っていたのですが、結局地理を選択しました。地理はセンター試験の過去問を解いていくことが王道だと思いました。過去問でやった内容を白地図にまとめていく勉強法で、地理は12月には仕上げることができました。

(白地図にまとめる勉強法は苦にならなかったのか?継続のコツは?)

白地図にまとめる勉強法は楽しかったです。楽しむには背景の理論がないと面白くない。背景の理論をつかむために授業で理解を深めることが大切だと思います。地理の理論は短期間でおさえることができます。

背景を理解することは全ての学習に必要です。たとえば、英語はSVOCがわかってこないと面白くありません。化学も教科書に載っていることを最初頭に入れておかないと伸びません。背景の知識がない人はダメだと思います。大まかな方法論は教科書や過去問からつかむことができます。しかし、細かい方法論は人を通さないとできません。自分の方向性を修正していくためにVETが必要でした。

・受験期のストレス解消法

「食べること」と「寝ること」でしょうね。ある程度年齢を重ねて、おいしいご飯を食べていれば自分は幸せでいられるという考えに達しました。昼休憩の時間に、テーブルマーク社の米をレンジでチンして食べるのが日課でした。昔はゲームをやってると楽しかったのですが、高校卒業ともに対人戦をやる機会がなくなって、それからゲームはやらなくなりました。

・落ちたら今のバイト先に就職するつもりだった

東京農工大の2次試験では英語と化学は武器になると思っていました。センター試験でそこそこの点数を得点することができたので、数学は冷静に計算ミスしないようにしていれば合格できると思っていました。

(合格発表は緊張しなかった?)

合格発表は緊張しましたね。フワフワと地に足がついていない状態でした。人生で初めて真面目に合格発表を待っていましたね(笑)。自分の番号を見つけたときは人生ベスト3に入るくらいうれしかったです。

(落ちていたらどうするつもりだったの?)

後期で帯広畜産大を出願していましたが、おそらく合格しても入学はしていないだろうと思います。落ちていたら半々で就職も考えていました。発表後の気分で決めていたと思います。

・これからは失ったものを取り戻したい

(大学に合格したけど、今後やりたいことは?)

失われた青春を取り戻したいです(笑)。これまでしょうもない人生でしたけど、それも無駄ではなかったのかなと思います。今の自分があるのは、そうした無駄のおかげのような気もします。少なくとも考え方は変わりました。それでも、これまで25年で自分が積み重ねてきた無駄は、自分がサボっていたことが原因なので、頑張って取り戻していきたいです。とくに大学時代はサボり過ぎました。

(具体的には何を取り戻したいか?)

今から頑張って地元の幼馴染と酒が飲みたいです。もうすでに幼馴染は就職して働いていますが、自分は大学中退でフリーターしたので会う気になれませんでした。昔はオールで桃鉄やってたくらい仲がよかったのですが。無駄にしてきた中で、ダメにしてきたことなので、今からでも取り返せるかなと思います。

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